血液は絶えず体中を流れ続けています。この血液の流れを循環(じゅんかん)といいます。今日は体を流れる血液の特徴と、どのように血液が循環してるのか学習します。
「血液の循環」基本問題
Q:下の図は、ヒトの血液の循環についてまとめた図である。これについて、以下
の各問いに答えよ。
(1)A~Cの名称を答えよ。
(2)血液が流れる向きは、アとイのどちらか。
(3)心臓のつくりで、右心房はa~dのどれか。
(4)ウの血管の名前と、そこを流れる血液の特徴を答えよ。
(5)門脈を流れる血液にはどのような特徴があるか。
血液の循環
血液が全身を流れることを血液の循環といいます。血液の循環には、肺循環(はいじゅんかん)と体循環(たいじゅんかん)があります。
- 肺循環…血液が、心臓→肺→心臓と流れること。
- 体循環…血液が、心臓→全身→心臓と流れること。
肺循環で酸素を手に入れた血液が、体循環で全身に酸素をとどけにいくのですね。
血液の特徴
全身を流れる血液には、次のような特徴があります。血液が流れる場所で血液の特徴がつかめるようにしましょう。
陸上で生活するヒトは、肺で血液中の二酸化炭素と空気中の酸素を交換しています。なので、肺から出たばかりの血液は、酸素をたくさん含んでいて、肺に入る直前の血液は二酸化炭素をたくさん含んでいます。
小腸では、消化したブドウ糖やアミノ酸などの養分を吸収します。このときに、タンパク質を消化する際に生じる、有害なアンモニアを多量に吸収してしまいます。したがって、小腸を通った直後の門脈を通る血液は、養分が多く有害なアンモニアが多いという特徴があります。
小腸を通った血液は、門脈で肝臓に直接流れ込むようになっています。これは、肝臓で有害なアンモニアを無害な尿素に作り替えるためです。したがって、肝臓を通過する前の血液は、アンモニアが多いという特徴がありますが、肝臓を通過した後の血液には、有害なアンモニアが少なく、無害な尿素が多いという特徴があります。
「血液の循環」基本問題 解答
A
(1)A:肺 B:肝臓 C:小腸
肺循環と体循環があることを考えると、Aが肺であることがわかります。また、肝臓と小腸は門脈でつながっています。
(2)イ
全身を流れた血液は、心臓の右心房であるaに流れ込みます。したがって、血液の流れる向きはイになります。
(3)a
心臓の上の部屋が心房、下の部屋は心室になります。
(4)肺静脈、酸素を最も多く含んでいる。
心臓に戻る血液が流れる血管を静脈といいました。ウは、肺を通った血液が心臓に戻る経路です。したがってウは肺静脈になります。肺静脈を流れる血液は酸素が多く含まれる動脈血になります。
(5)養分と有害なアンモニアを多く含む。
有害なアンモニアは、肝臓で無害な尿素に作り替えられます。
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