鉄や銅などの金属を空気中で燃やすと、どのような反応が起こり何ができるのでしょう。今回は金属を燃やす実験について学習します。
「金属の燃え方」基本問題
Q:下の図のように、スチールウールをガスバーナーで十分に加熱する実験を行った。
これについて、以下の各問いに答えよ。
(1)スチールウールを空気中で加熱すると、どのように燃えるか。下のア〜ウの
中から適するものを選べ。
ア 赤い炎を出して燃える。
イ 赤くなりながらチリチリと燃える。
ウ 青白い光をだして激しく燃える。
(2)スチールウールの➀加熱前と、➁加熱後の性質を下から選べ。
ア 金属光沢がある。 イ 金属光沢がなく、もろい。
ウ 磁石につかない。 エ 磁石につく。
オ 電流が流れる。 カ 電流が流れない。
(3)燃えたあとの物質全体の重さは、燃える前のスチールウールの
重さと比べてどうなるか。下のア〜ウから選べ。
ア 重くなる イ 軽くなる エ 変わらない
(4)(3)のようになる理由を答えよ。
金属の燃やし方
まずは、金属って燃えるの?と疑問があるかもしれません。確かに、金属の固まりを加熱しても燃えませんが、以下のように工夫をすれば燃やすことができます。
- 金属をスチールウールのように細くする。
- 金属を鉄粉などのように粉状にする。
このように、同じ体積あたりの表面積を大きくすると、金属でも燃やすことができます。ちなみに、スチールウールとは、鉄を細い線状にしたものです。
金属の表面積を大きくして空気中で加熱すると、空気中の酸素が結びついて、金属は別の物質に変化します。
スチールウールの燃え方
スチールウールは、鉄を細い線状にしたもので、空気中で加熱すると赤くなりながらチリチリと燃えます。酸素と鉄が結びつき、黒色の酸化鉄という物質に変わります。
式で表すと、次のような変化が起こっています。
- 鉄(スチールウール)+酸素 → 酸化鉄(黒色)
加熱後の酸化鉄は、酸素が結びついた分だけ重くなります。
銅の燃え方
金属の銅を粉状にした銅粉を加熱すると、赤褐色(せきかっしょく)の銅粉は赤くなりながら燃えて黒色の酸化銅という物質に変化します。銅粉を加熱するときは、下の図のように、うすく広げるようにかき混ぜながら加熱します。これは、空気中の酸素と銅粉が完全に反応するようにするためです。
式で表すと、次のような変化が起こっています。
- 銅(赤褐色)+酸素 → 酸化銅(黒色)
加熱後の酸化銅は、結びついた酸素の分だけ重くなります。
マグネシウムの燃え方
マグネシウムという金属を板状にしたものを、マグネシウムリボンといいます。これを空気中で加熱すると、白色の光や熱を激しく出しながら燃え、白色の酸化マグネシウムという物質に変化します。
式で表すと、次のような変化が起こっています。
- マグネシウム+酸素 → 酸化マグネシウム(白色)
加熱後の酸化マグネシウムは、結びついた酸素の分だけ重くなります。
「金属の燃え方」基本問題 解答
A
(1)イ
スチールウールを空気中で加熱すると、赤くなりながらチリチリと燃えます。
(2)➀ア、エ、オ ②イ、ウ、カ
加熱前は金属の性質が見られますが、加熱後は金属ではない物質に変化しているので、金属の性質は見られません。また、磁石につくのは鉄だけの性質です。
※参考:金属の性質 ➀みがくと金属特有の光沢がでる。➁たたくとうすく広がり、ひっぱると伸びる。③熱や電気をよく通す。
(3)ア
(4)空気中の酸素が結びつくから。
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