水を温めたとき、フラスコ内の水はどのように変化するのか学習します。まずは、問題を解きましょう。
「水を温めたときのようす」基本問題
Q:右の図のように、水を入れたフラスコを加熱する実験を行った。これについて、以下の各問いに答えよ。
(1)加熱後、すぐにフラスコの外側が白くくもった。これはなぜか。理由を簡潔に答えよ。
(2)(1)のあと、フラスコの内側に小さな泡がつき始めた。これは何か。
(3)(2)のあと、フラスコ内の底に小さな泡がつき始め、その泡はしだいに大きくなり、水全体から大きな泡がさかんに出始めた。これは何か。
(4)大きな泡がさかんに出ているとき、温度計の示度を見てみると100℃を示していた。しばらくすると、温度計の示度はどうなるか。次の中から1つ選び、記号で答えよ。
ア 100℃よりも高くなる イ 100℃よりも低くなる
ウ 100℃のまま変わらない
(5)フラスコ内に沸とう石を入れる理由を、簡潔に答えよ。
水が沸とうするまで
フラスコ内の水をアルコールランプで加熱し温度を上げると、次のような変化が現れます。
- フラスコの外側がくもる。
アルコールが燃えることで、水(水蒸気)が発生するためです。生じた水(水蒸気)は、フラスコの中の水によって冷やされ、水滴となってフラスコの外側につきます。これによって、フラスコが白くくもって見えるのです。 - 水にとけていた空気の泡が出てくる。
水の温度が上がると、水にとけていた気体がとけきれなくなり、気体として出てきます。水には空気がとけているので、それが気体となってフラスコの内側に小さな泡となってつきます。 - 小さな水蒸気の泡が出始める。
さらに水の温度が高くなると、フラスコ内の液体の水が気体の水蒸気に変化し始めます。はじめはフラスコの底の方から小さな泡となって出てきます。 - 大きな水蒸気の泡がさかんに出る。
小さな水蒸気の泡はしだいに大きくなります。これは、加熱することにより水が水蒸気になろうとする力が大きくなるためです。 - 激しく沸とうする。
このときの温度は100℃になります。この温度を水の沸点(ふってん)といいます。水が全部水蒸気に変わるまで沸とうが続き、温度は100℃のままで変化しません。
沸とうしているとき、温度が100℃で変化しないのは、加えた熱が、すべて水を水蒸気に変えるために使われるためです。
沸とう石を入れる理由
水を加熱するとき、安全のために沸とう石を入れます。これは、突然沸とうして水がふきこぼれるのを防ぐためです。
沸とう石として用いられるのは、細かい穴がたくさん開いた石や素焼きのかけらなどです。沸騰石を入れておくことで沸点に達したときに液体が気体に変わる「きっかけ」を与えることができるため、小さな泡から沸とうが始まり、おだやかな沸とうをさせることができるようになります。
「水を温めたときのようす」基本問題 解答
A
(1)エタノールが燃えて水ができたから。
エタノールを燃やすと、二酸化炭素と水(水蒸気)が生じます。生じた水(水蒸気)がフラスコの水に冷やされ、水滴としてフラスコの外側につきます。
(2)(水にとけていた)空気の泡
はじめに出てくる小さな泡は、水にとけていた空気の泡です。温度が高くなると、水にとけていた気体がとけきれなくなり、気体として出てきます。
(3)水蒸気
水の温度が高くなると、フラスコ内の水が水蒸気になってさかんに発生します。これを沸とうといいます。
(4)ウ
水が沸とうしているとき、水か水蒸気に変化するためにエネルギーが使われるので、温度が上昇しません。
(5)突然沸とうするのを防ぐため。
沸とう石は、水の温度上昇をゆるやかにするはたらきがあります。
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