豆電球と乾電池の問題で、スイッチが登場する問題があります。今回はその解き方と注意点を解説します。
「スイッチ回路」基本問題
Q:図1の豆電球の明るさを1とした場合、次の各問いに答えよ。ただし、どの乾電池も豆電球も同じものを使ったものとする。
(1)図2のスイッチS₁のみを入れた場合のア〜エの明るさは?
(2)図2のスイッチS₁とS₂を入れた場合のア〜エの明るさは?
(3)図2のスイッチS₁とS₃を入れた場合のア〜エの明るさは?
(4)図2のスイッチ全部を入れた場合のア〜エの明るさは?
スイッチ回路の解き方
スイッチがついた回路の問題は、うっかりミスが生じやすいので次の手順で正確に解いていきましょう。
- 入れるスイッチを線でつなげる。
- 乾電池の電流の道すじを確認し、電流が流れない豆電球に✕をかく。
- 部分ショートがないか確認する。
- 複雑に見える場合は簡単な回路図にかき直す。
- いつもの豆電球と乾電池の解き方で解く。
特に、2や3の作業は大切です。実際に今回の問題でやってみましょう。
スイッチS₁のみを入れた場合
スイッチS₁のみを入れた場合、ウの豆電球には電流が流れないので点灯しません。このとき、電流が流れる道すじを確認すると、豆電球ア、イを流れる道すじと、豆電球エを流れる道すじに分かれていることがわかります。
それぞれの道すじで、流れる電流の量を求めます。
まずは、上左図の青い矢印の道すじを考えます。豆電球が2個直列につながれているので抵抗は2、なので流れる電流はその逆数の1/2になります。この電流が豆電球ア、イに流れるので、ア、イの明るさはともに1/2になります。
次は上右図の赤い矢印の道すじを考えます。豆電球が1個なので抵抗は1、なので流れる電流は1になります。豆電球エの明るさは1ですね。
A ア:1/2 イ:1/2 ウ:0 エ:1
スイッチS₁とS₂を入れた場合
スイッチS₁とS₂を入れた場合は、次のような並列つなぎになります。豆電球ア、イを電流が流れる青い矢印の道すじ、豆電球ウを電流が流れる緑の矢印の道すじ、豆電球エを電流が流れる赤い矢印の道すじの並列つなぎです。
それぞれの道すじで、流れる電流の量を求めます。
まずは、豆電球ア、イを電流が流れる青い矢印の道すじですが、スイッチS₁のみを入れた場合と同じですので、豆電球ア、イの明るさは1/2になります。
次に、豆電球ウを電流が流れる緑の矢印の道すじですが、豆電球が1個しかないので、豆電球ウの明るさは1になります。
最後に豆電球エですが、これも豆電球1個なので明るさは1になります。
A ア:1/2 イ:1/2 ウ:1 エ:1
スイッチS₁とS₃を入れた場合
スイッチS₁とS₂を入れた場合は、次のような並列つなぎになります。豆電球ア、イ、ウを電流が流れる青い矢印の道すじ、豆電球エを電流が流れる赤い矢印の道すじの並列つなぎです。
青の矢印のルートですが、直並列つなぎになっているので、全体の抵抗を求めて電流の大きさを出しましょう。
豆電球アとウの部分は並列になっているので、この部分の抵抗は1/2、豆電球イの抵抗は1なので、青い道すじの全体の抵抗は1/2+1=3/2。電流はその逆数なので2/3になります。豆電球イには2/3の電流が流れ、それが半分ずつに分かれて豆電球ア、ウに流れるのでそれぞれ1/3ずつ流れます。したがって豆電球ア、ウの明るさは1/3、豆電球イの明るさは2/3になります。
豆電球エの明るさは前と同じ1になりますね。
A ア:1/3 イ:2/3 ウ:1/3 エ:1
スイッチを全部入れた場合
いよいよ最後です。スイッチを全部入れた場合、次のような回路になります。
このとき注意してほしいのが、スイッチS₂とS₃を電流が流れる部分ショートになっていることです。わざわざ電流が流れにくい豆電球イに電流は流れず、導線だけの部分を電流が流れます。なので豆電球イはつきません。
この場合も、青い矢印ルート、赤い矢印ルートで電流の大きさを求めていきましょう。
青い矢印ルートは、豆電球2個が並列につながっているので抵抗は1/2、流れる電流はその逆数で2、それがそれぞれに半分ずつ流れるので豆電球ア、ウの明るさは1になります。
豆電球エの明るさは前と同じ1になりますね。
A ア:1 イ:0 ウ:1 エ:1
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