豆電球と乾電池の複雑なつなぎ方「直並列つなぎ」について学習します。単純な直列つなぎ、並列つなぎではない場合、どのように問題を解いたらよいか見ていきましょう。
「直並列つなぎの豆電球の明るさ」応用問題
Q:下の図で、アの豆電球の明るさを1とした場合、イ〜キの豆電球の明るさどのように表されるか?ただし、どれも同じ豆電球、乾電池を使ったものとする。
直列つなぎだけの問題、並列つなぎだけの問題でしたら、「豆分の乾」で簡単に解けましたが、今回の直並つなぎはそうはいかないようですね。ゆっくり解説するので頑張ってついてきてください。
豆電球の電流の流れにくさ(電気抵抗)を考える
ここからは、豆電球の電流の流れにくさである「抵抗(電気抵抗)」を考えた方がスムーズに問題が解けます。まずは、簡単な直列つなぎ、並列つなぎで抵抗を考えてみましょう。
豆電球自体は電流が流れにくい材料でできています。なので、豆電球を直列につなぐと電流が流れにくくなります。直列に2個つなぐと流れる電流は1/2、直列に3個つなぐと流れる電流は1/3になります。
一方、並列につなぐと電流が流れる道が増えるので電流は流れやすくなります。豆電球を並列に2個つなぐと全体を流れる電流は2倍、並列に3個つなぐと全体を流れる電流は3倍になります。
このとき、下の一番左図のように豆電球1個の抵抗を1とすると、直列に豆電球を2個つないだときの抵抗は2となります。電流が1/2になったということは流れにくさが2倍になっているからです。一方の豆電球を並列に2個つないだ場合の電気抵抗は1/2になります。全体を流れる電流が2になったということは、電流の流れにくさが1/2になっているからです。
また、流れている電流と抵抗の関係を見てみると、抵抗の逆数になっています。
- 抵抗が2⇒電流は1/2
抵抗が3⇒電流は1/3 - 抵抗が1/2⇒電流は2
抵抗が1/3⇒電流は3
ここまでのポイントをまとめると、豆電球1個の抵抗を1とすると、
- 直列に豆電球を2個つなげると抵抗は2⇒このとき電流は1/2
直列に豆電球を3個つなげると抵抗は3⇒このとき電流は1/3 - 並列に豆電球を2個つなげると抵抗は1/2⇒このとき電流は2
並列に豆電球を3個つなげると抵抗は1/3⇒このとき電流は3
になります。
直並列つなぎの抵抗と電流①
それでは、問題の解説に入ります。まずは真ん中の図のイ〜エについて見ていきましょう。
イの部分は豆電球1個なので抵抗は1、ウとエの部分は豆電球が並列に2個つながれているので抵抗は1/2、したがって全体の抵抗は1+1/2=3/2となります(下左図)。
全体の抵抗が3/2なので、全体を流れる電流は2/3となります。これが枝分かれしてウとエに流れるので、ウとエに流れる電流は2/3の半分の1/3になります。このあと電流は合流し、イの部分には2/3の電流が流れます。
A イ:2/3 ウ:1/3 エ:1/3
直並列つなぎの抵抗と電流②
次は一番右の図のオ〜キについて見ていきましょう。このような場合、道すじを2つに分けて考えます。まずは、オとカの抵抗と電流について見てください(下左図)。豆電球が直列に2個つながれているので抵抗は2、電流は1/2になります。
次は、キの抵抗と電流です(下中央図)。豆電球1個なので抵抗は1、電流は1になります。
この2つを合わせると、全体を流れる電流は、1/2+1=3/2となります。電流と抵抗は逆数の関係ですので、全体の抵抗は2/3となるのです。このように、このパターンの直並列つなぎでは、場合分けをして考えます。
A オ:1/2 カ:1/2 キ:1
これで複雑なつなぎ方の場合でも問題が解けるようになりました。次は最強のつなぎ方です。それでは次の記事で!
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