ものの燃え方の中でも、ろうそくの燃え方について詳しく見ていきましょう。
「ろうそくの燃え方とものが燃える条件」応用問題
Q:下の図のように、ろうそくの炎を調べる実験をした。図1は、ろうそくの炎の外炎、内炎、炎心を表した図である。これについて、次の各問いに答えよ。
(1)図2のように、ガラス棒を炎の中に置いたとき、どの部分に黒いすすがつくか?下のア〜エから選び、記号で答えよ。
(2)図3のように、しめらせた木を炎の中に置いたとき、どの部分が黒く焦げるか?下のア〜エから選び、記号で答えよ。
(3)図4のように、ガラス管を炎心に入れると白い煙が出る。この煙に火をつけるとどうなるか?
まずは、ろうそくの炎について詳しく見ていきましょう。
ろうそくの炎
ろうそくの炎は次の図のように、3つの炎の層に分かれています。
- 外炎(がいえん)…約1400℃
もっとも温度が高い部分。空気中の酸素と反応し炭素が完全燃焼し二酸化炭素になっている。明るさはそんなに明るくない。 - 内炎(ないえん)…約500℃
もっとも明るい部分。酸素が足りず不完全燃焼しているので、残ったすすが熱せられて明るい光を出している。 - 炎心(えんしん)…約300℃
もっとも温度が低く、もっとも暗い部分。ろうの気体がまだ燃えていない部分。炎心にガラス管を入れると白い煙が出てくる。
次はろうそくが燃え続けるしくみについて学習します。
ろうそくが燃え続けるしくみ
ろうの主成分はパラフィンとよばれる炭素と水素をふくむ物質です。ろうそくに火をつけると次のしくみでろうそくが燃え続けます。
- ろうそくの芯(しん)に火をつける。
- その熱で固体のろうが溶け液体になる。
- 液体になったろうが毛細管現象で芯を伝って上昇し気体になる。
- 気体になったろうは熱によって炭素や水素に分解される。
- 炭素や水素が酸素と反応し燃焼する。
- その熱で固体のろうが溶けて液体となり、3~5を繰り返す。
毛細管現象とは、液体が細かい繊維などの細いすきまの中を進んでいく現象です。
ろうそくが燃えた後にできるもの
ろうそくの主成分はパラフィンで、炭素と水素を含んでいます。内炎の部分で、熱によりパラフィンが炭素と水素に分解され、それらが空気中の酸素と反応するので二酸化炭素と水(水蒸気)が生じます。
「ろうそくの燃え方とものが燃える条件」応用問題 解答
では、問題の答え合わせを行います。(1)と(2)は炎の中にガラス棒やしめらせた木を入れています。ガラスは燃えないので高温でも変化しませんが、黒いすすがくっつきます。しめらせた木は、高温の部分で黒く焦げます。
(1)はガラス棒を入れているので、黒いすすができている部分が黒くなります。すすが生じているのは内炎の部分でした。(2)しめらせた木を入れているので、もっとも高温の部分が黒く焦げます。もっとも高温の部分は外炎でした。
A (1)イ (2)ア
(3)は炎心の部分にガラス棒を入れているので、ろうの気体が出てきます。ろうの気体に火をつけると炭素と水素が燃え炎が出ます。
A (3)ガラス管の先から炎が出て燃える。
ついでに、ものが燃える条件についても見ておきましょう。
ものが燃える条件
ものが燃えるためには、次の3つの条件を満たす必要があります。
- 燃えるものがあること。
- 酸素(新しい空気)があること。
- 発火点以上の温度があること。
発火点とは、その物質が燃え始める温度のことです。例えば水素ですが、発火点は約500℃になります。物質の種類によって発火点は異なります。
ものが燃える条件がわかれば、火を消す方法もわかります。このうちのどれかをとり除けばよいのです。
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