割りばしなどの木を、新しい空気をあたえない状態で熱するとどうなるのでしょうか。今回は木のむし焼きについて学習します。
「木のむし焼き(乾留)」基本問題
Q:下の図のように、木を試験管に入れガスバーナーで熱したときの変化を調べた。これについて、以下の各問いに答えよ。
(1)熱したあと、試験管に残ったAは何か?また、Aに空気中で火をつけると、どのように燃えるか?
(2)熱したあと、試験管にたまったBとして適するものを、下の中から一つ選び記号で答えよ。
ア エタノール イ 木さく液 ウ 石灰水 エ 硫酸
(3)熱しているときにガラス管から出てきたCに火を近づけるとどうなるか?
木をむし焼き(乾留)にすると
木などを、酸素をあたえない状態(新しい空気を送らない状態)で強く熱することをむし焼き(乾留)といいます。むし焼きされたものは炎を上げずに熱によっていろいろなものに分解されます。
木をむし焼きにすると、以下のようなものが分解されてできてきます。
- 木炭(炭)…ほぼ炭素という成分でできている。木炭を空気中で燃やすと、炎を上げずに赤くなりながら燃える。
- 木ガス…ガラス管から出てくる白い煙。水素や一酸化炭素など、燃える気体をふくんでいるので、白い煙に火を近づけると炎を上げて白い煙が燃える。
- 木さく液…うすい黄色の液体で、酸性を示す。
- 木タール…黒色の液体で、粘り気がある。
試験管の口の方を少し下げて加熱する理由
木などの固体を試験管で熱する場合、水などの液体が発生することが多いので、試験管の口の方を少し下げて加熱します。発生した液体が加熱部に流れることを防ぎ、試験管が割れないようにするためです。
「木のむし焼き(乾留)」基本問題 解答
A
(1)木炭(炭)、炎を出さずに赤くなって燃える。
木炭を空気中で燃やした後は、二酸化炭素が発生し灰が残ります。
(2)イ
木さく液から酢酸やエタノールをつくることもできます。
(3)白い煙が炎を上げて燃える。
白い煙の正体は木ガスで、水素や一酸化炭素などの燃える気体を含んでいます。
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