空気中でものが燃えるとき、ものが燃えることと空気の間にはどのような関係があるのでしょうか。今回はものの燃え方について詳しく見ていきましょう。
「ものの燃え方」基本問題
Q:下の図ア〜エのように、底のない集気びんを粘土の上に置き、その中でろうそくを燃やす実験を行った。これについて、以下の各問いに答えなさい。
(1)ア〜エの中で、ろうそくが燃え続けるのはどれか?
(2)(1)より、びんの中のろうそくが燃え続けるには、どのようなことが必要だとわかるか?
(3)ろうそくが燃えた後、空気中の成分で減少する気体は何か?
(4)ろうそくが燃えた後、空気中の成分で増加する気体は何か?
ものの燃え方と空気の動き
ものが燃えるためには、空気が入れかわる必要があります。このとき、空気は下から上へと動きます。問題のア〜エの図で、空気の動きを線香の煙を使って調べてみましょう。
アは、線香の煙が集気びんの口の端の方から吸い込まれ、ろうそくの炎の上から集気びんの外に出て行っています。ウは、線香の煙が集気びんの底の穴から吸い込まれ、集気びんの口から外に出て行っています。このように、ものが燃えるには絶えず空気が下から上へと入れかわる必要があります。
イは、集気びんの底も上の口の部分も閉じられており、空気の入れかわりが起こりません。この場合は、しばらくするとろうそくの炎が消えてしまいます。また、エのように集気びんの底のみを開けておいた場合も、空気が上から出てい聞けないので空気の入れかわりが起こりません。しばらくするとろうそくの炎は消えてしまいます。
空気の成分
次は、空気の成分ついて見ていきましょう。空気にはいろいろな気体が混ざっています。多い順に次の気体と割合を覚えましょう。
- 窒素(ちっそ)…78%
- 酸素(さんそ)…21%
- アルゴン …0.9%
- 二酸化炭素 …0.04%
窒素は色やにおいがなく、ものを燃やすはたらきはありません。
酸素も色やにおいはありませんが、ものを燃やすはたらきがあります。なので、ろうそくを酸素を満たした集気びんの中で燃やすと空気中よりも激しく燃えます。
二酸化炭素にも色やにおいはありません。ものを燃やすはたらきもありません。また、石灰水に通すと石灰水が白くにごります。
ものの燃え方と空気の成分の変化
ものが燃えると、空気の成分はどのように変化するのでしょうか。下の図を確認しましょう。
集気びんなどの密閉された空間の中でろうそくなどを燃やすと、やがてろうそくの炎は消えます。消えた後の集気びんの中の窒素、酸素、アルゴン、二酸化炭素の割合を気体検知管などで調べると、酸素が減少し二酸化炭素が増加していることがわかります。
このことから、ものが燃えるには酸素が必要で、ものが燃えると二酸化炭素が増加することがわかります。また、酸素がすべてなくならなくても、ある程度減少すればろうそくの炎が消えることもわかります。
ろうそくが燃えた後は二酸化炭素が増加しているので、集気びんの中に石灰水を入れて振ってみると、石灰水が白くにごります。
「ものの燃え方」基本問題 解答
A
(1)ア、ウ
空気が入れかわることができる集気びんを選びましょう。アで集気びんの口の半分ほどふたでおおってしまうと、ろうそくの火は消えることも覚えておきましょう。
(2)空気が入れかわる必要がある。
かまどや焼却炉(しょうきゃくろ)なども、下から空気が入り、上から空気が出ていけるように下と上に穴が開いています。
(3)酸素
酸素がすべてなくならなくても、21%から17%くらいまで減少すれば火は消えます。
(4)二酸化炭素
二酸化炭素を調べるには石灰水を使います。石灰水に二酸化炭素を通すと、石灰水が白くにごります。
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