中学受験の理科では、容器の中の水が移動する仕組みや水深の変化を正しく理解することが重要です。特に、「空気の通り道」と「水の通り道」の関係を見抜く力が問われる応用問題では、論理的な思考と図の読み取りがカギになります。本記事では、入試頻出の「容器の水の移動と水深」に関する問題を、ポイントを押さえてわかりやすく解説します。実際の応用問題を通して、確実に得点につなげる力を身につけましょう。
「水の移動(サイフォンの原理)」応用問題
Q:下の図のように、容器A、B、Cがあり、それぞれの容器をガラス管とゴム管でつないで、各容器の水深が10cmになるようにした。これについて、以下の各問いに答えよ。

(1)図の状態から、静かに容器Aだけを2cm持ち上げると、容器A、B、Cの水深はそれぞれ何cmになるか。
(2)図の状態から、静かに容器Cだけを2cm持ち上げると、容器A、B、Cの水深はそれぞれ何cmになるか。
空気の通り道と水の通り道
この問題のように、密閉された容器に水と空気が閉じ込められている場合、水の通り道だけではなく、空気の通り道があるのかが重要になります。水の通り道だけがあっても空気が移動できないと水の移動は起こりません。
下の図のように、ガラス管とゴム管で、水の通り道のほかに空気の通り道もつくってあげると水の移動がおこります。

下の図のように、水の通り道しかない場合は、空気が移動できないので水が移動できません。

このように、空気の通り道があるのかを見極めることがポイントになります。
「水の移動(サイフォンの原理)」応用問題 解答
まずは、(1)の容器Aを2cm持ち上げた場合を考えます。容器AとBは、水の通り道だけでなく空気の通り道もありますので、空気が移動することで水の移動も生まれます。

容器Aを2cm高くしたので、容器Aから容器Bに高さ1cm分水が移動し、容器Aの水深が9cm、容器Bの水深が11cmになり、水面の高さが一致して水の移動が終わります。容器Cとは、空気の移動がおこらないので水の移動は起こりません。
一方、容器Cだけを2cm持ち上げた場合ですが、容器Aとも容器Bとも空気の移動ができるようにガラス管がつながれていないので、水の移動はおこりません。したがって、下図のように、各容器の水深は変化しません。

A (1)容器A:9cm 容器B:11cm 容器C:10cm
(2)容器A:10cm 容器B:10cm 容器C:10cm
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