水の温度を上げていくと、水の姿がどのように変化するのか学習します。
「水の姿の変化」基本問題
Q:下のグラフは、ある温度の氷100gを容器に入れ、一定の熱を出すヒーターで加熱したときの温度の変化を表したものである。これについて、以下の各問いに答えよ。ただし、ヒーターで発生した熱はすべて氷または水にあたえられたものとし、水が沸とうするまでは、水蒸気は発生しないものとする。
(1)BとDの温度は、それぞれ何℃か。
(2)AB、BC、CDの各区間での容器内の物質は、どのような状態になっているか。それぞれ答えよ。
(3)氷の量だけ200gに変えて、同じ条件で実験をしたとき、氷が全部解けるまでの時間は何分になるか。
物質の三態
物質は温度によって姿を変えます。温度を変えると、固体、液体、気体と姿を変えます。固体、液体、気体を物質の三態(ぶっしつのさんたい)といいます。また、物質が固体、液体、気体と姿を変えることを状態変化(じょうたいへんか)といいます。
- 固体…形や体積が簡単に変わらない。
- 液体…容器の形にしたがって形が変わるが、体積はほとんど変わらない。
- 気体…形は自由に変わり、体積も変わりやすい。
温度を上げると、固体→液体→気体と状態が変化します。このとき体積は変わりますが、重さは変わりません。
※昇華(しょうか)…物質の中には、温度を変えると、固体からいきなり気体に状態が変わるものがあります。固体から気体に状態変化することを昇華といいます。ドライアイスは、気体の二酸化炭素がいきなり固体になったものです。
水の三態
水も温度を変えると、固体、液体、気体と状態が変化します。水の固体を氷、水の気体を水蒸気といいます。
- 融点(ゆうてん)…水から氷、氷から水になるときの温度で、0℃になります。
- 沸点(ふってん)…水が沸とうして水蒸気になるときの温度で、100℃になります。
※蒸発(じょうはつ)と沸とう(ふっとう)
水面だけから水が水蒸気になる現象を蒸発といい、水の内部からも水が水蒸気になる現象を沸とうといいます。蒸発は温度に関係なく起こりますが、沸とうは水の温度が100℃になったときに起こります。
水の温度と姿の変化
氷を熱したときの、温度と水の姿の変化をグラフで表すと、次のようになります。
氷は0℃になるととけ始めますが、氷がとけ終わるまで温度は0℃のままで変わりません。また、水は100℃で沸とうしますが、沸とうが終わるまで温度は100℃で変わりません。
水を冷やしたときのようすも、グラフで確認しましょう。
水は0℃でこおり始めますが、氷の混じった水の温度は、水がすべてこおり終わるまで0℃のまま変わりません。こおり終わるとまた温度が下がり始めます。
「水の姿の変化」基本問題 解答
A
(1)B:0℃D:100℃
氷は0℃でとけ、水は100℃で沸とうします。
(2)AB:氷 BC:氷と水 CD:水
氷と水が混じっている間は、温度が上がらないことも重要です。
(3)39分
氷の量が100gの場合、氷がとけ終わるまで18分かかっています。氷の量が2倍の200gになっているので、氷がとけ終わるまでの時間も2倍になります。
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