生物は空気を吸ってはいています。こんときどのようなことが体の中で起こっておるのでしょうか。今回は呼吸について学習します。
「肺と呼吸」基本問題
Q:下の図は、ヒトの呼吸に関するつくりを表したものである。これについて、以下の各問いに答えよ。
(1)図中のア〜エに適する語を入れよ。
(2)息を吸うとき、ウは上がるか、下がるか。
(3)エのつくりには毛細血管がまき付いている。ここではどのようなことが行われているか。「血液」という語を使って、簡単に説明せよ。
(4)水中で生活する魚などは、どこで呼吸を行っているか。
呼吸と空気
空気中にある酸素をからだの中に取り入れ、からだの中にあるいらなくなった二酸化炭素をからだの外へ出すはたらきを呼吸(こきゅう)といいます。このとき、いらなくなった水蒸気(水)もからだの外に出しています。
呼吸により、吸う息とはく息の成分は、次にように異なってきます。
窒素 | 酸素 | 二酸化炭素 | 水蒸気(水) | |
吸う息 | 78% | 21% | 0.03% | 空気中と同じ |
はく息 | 78% | 16% | 4% | 非常に多い |
窒素(ちっそ)の割合は変化していませんが、酸素の割合が減少し、二酸化炭素の割合が増加しています。酸素をからだに取り入れ、二酸化炭素をからだから外に出していることがわかります。はく息に二酸化炭素が多いので、はく息を石灰水に通すと白くにごります。
肺のつくり
吸った空気は、気管(きかん)という管を通って肺に運ばれます。気管は肺の中で枝分かれし気管支となり、その先端にある無数の袋状の構造である肺胞(はいほう)に送られます。
肺ほうには毛細血管がまき付いており、ここで血液中のいらない二酸化炭素と、吸った空気中の酸素が交換されます。血液中に取り込まれた酸素は、このあと全身に運ばれます。肺ほうに出された二酸化炭素は、このあと空気中にはき出されます。
肺ほうが無数の袋状の構造になっており、肺全体で約4億~5億個もあります。このような構造になっているおかげで、肺の表面積が大きくなり、酸素と二酸化炭素の交換が効率よく行われるようになります。
呼吸運動
肺には筋肉がないので、自分でふくらんだり縮んだりすることができません。肺のまわりにあるろっ骨や横かく膜(おうかくまく)を上下させることで胸の容積を変化させて、肺をふくらませたり縮ませたりしています。
細胞の呼吸
肺ほうで血液中に酸素が取り込まれますが、そのあと酸素は何に使われているのでしょうか。血液に取り込まれた酸素は、全身の細胞に運ばれ、細胞の呼吸で使われます。細胞は生物をつくる箱のようなつくりで、ヒトの場合、全身に約60兆個ほどあります。
細胞内で、養分を酸素を使って二酸化炭素と水に分解し、エネルギーを得るはたらきが細胞の呼吸になります。このエネルギーで筋肉を動かしたり、からだを温めたりしているのです。
魚の呼吸
陸上で生活する動物は、肺で呼吸を行います。空気中の酸素と血液中の二酸化炭素を交換しているのが肺というつくりなのです。
それに対して、水中で生活する魚などの動物は、水にとけた酸素と血液中の二酸化炭素を交換するつくりとしてえらというつくりを持っています。
「肺と呼吸」基本問題 解答
A
(1)ア:気管 イ:気管支 ウ:横かく膜 エ:肺ほう
(2)下がる
肺には筋肉がないので、肺のまわりにあるろっ骨と横かく膜が上下し肺をふくらませます。このとき、ろっ骨は上に、横かく膜は下に下がります。
(3)血液中の二酸化炭素と、空気中の酸素を交換している。
毛細血管の中を流れる血液から二酸化炭素が肺ほうに出され、肺ほうにある空気中の酸素が血液中に取り入れられます。
(4)えら
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