全身を流れる血液について学習します。血液にはどのような成分が含まれているのでしょうか。
「血液の成分」基本問題
Q:下の図は、ヒトの血液の成分を表したものである。これについて、以下の各問
いに答えよ。
(1)A~Dの名称を答えよ。
(2)A~Dのうち、出血したときに血を固めるはたらきがあるものはどれか。記号で答えよ。
(3)Aの中には赤色の色素がふくまれている。この赤色の色素の名前を答えよ。
(4)(3)には、どのような性質があるか。「酸素が多いところ」と「酸素が少ないところ」という言葉を使って説明せよ。
(5)Dは毛細血管の壁からしみ出すと、何という液体になるか。
ヒトの血液の成分
全身を流れる血液は、大人の場合5Lもあるそうです。血液は、次の4つの成分からできています。
- 赤血球
- 白血球
- 血小板
- 血しょう
赤血球と白血球、血小板は固形の成分で、血しょうは液体成分になります。それぞれのはたらきを詳しく見ていきましょう。
赤血球は酸素を運ぶ
赤血球には、酸素を全身に運ぶはたらきがあります。生物は生活するためのエネルギーを得るために、全身の細胞に酸素をとどける必要があります。この役割を赤血球が担っているのです。
赤血球には、赤色の色素であるヘモグロビンという成分をふくんでいます。ヘモグロビンは、酸素が多いところ(肺)で酸素と結びつき、酸素が少ないところ(全身の細胞)で酸素を離す性質があります。この性質のおかげで、全身に酸素が運ばれるのです。
白血球は病気を防ぐ
白血球には、体内に入ってきた細菌を殺すはたらきがあります。白血球には細菌をとらえて食べるマクロファージなどの食細胞と、リンパ球という細菌などを攻撃するものがあります。これらが複雑に連携し、体内に侵入した病原菌から体を守っているのです。
血小板は血を固める
血小板には、出血したときに血を固めるというはたらきがあります。ただし、簡単に血が固まったら困るので、複雑なしくみで血液が固まるようになっています。
血しょうはなんでも運ぶ
液体成分である血しょうには、二酸化炭素や養分、不要物を運ぶというはたらきがあります。酸素だけは水などの液体に溶けにくいので赤血球が運んでいます。
血しょうは毛細血管の壁からしみ出すことができます。毛細血管からしみ出し、細胞の間を満たす液体になると名前が組織液に変わります。組織液が全身の細胞に酸素や養分をとどけ、細胞からいらなくなった二酸化炭素や不要物を受け取っているのです。
「血液の成分」基本問題 解答
A
(1)A:赤血球 B:白血球 C:血小板 D:血しょう
赤血球が血液の固形の成分の中でもっとも多く、真ん中がへこんだ円盤状の形をしています。
(2)C
出血したときに血を固めるはたらきがあるのは血小板です。
(3)ヘモグロビン
ヘモグロビンは鉄を主成分とするものです。なので血液は鉄のにおいがするのです。
(4)酸素が多いところで酸素と結びつき、酸素が少ないところで酸素を離す性質。
酸素が少ないところでは、「酸素の一部を離す」でもOKです。
(5)組織液
体内の液体成分は、血管の中にある場合は「血しょう」、血管の外にあり、細胞の間を満たしている場合は「組織液」、リンパ管内にある場合は「リンパ液」と呼ばれます。
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